四節 ・13

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「申し訳ございません、天莅様。このようなことでお手を煩わせてしまいました」
「いいんだ。どうせ、荷物は持ってやろうと思っていたから」
「ですが・・・このようなことは、使用人である私がするべき事です。
天莅様がする事ではございません。誠に申し訳ございません」

シイナの斜め前に座る。
その顔を見る。
笑顔ではない。
その顔は、心苦しいと言っている。

対照的だ。
シイナと、カホは。
それは、俺にも言えるのだろうが。

「天莅様?」
「うん?何?」
「あ・・・いえ。何か、飲み物をお持ちいたしますか?」
「うーん・・・何かと言われてもなあ・・・」
「温かい物がよろしければ、コーヒーかカフェオレがございました。
それと、紅茶とレモンティーとウーロン茶もございました」
「ふうん」
「冷たい物がよろしければ、コーヒーと紅茶とウーロン茶の他に、コーラと
オレンジとグレープとメロンソーダと野菜ジュースがございました」
「・・・もしかして、全部覚えてきたんだ?」
「はい。天莅様がこちらでお選びいただけるようにと思いまして」

小さく笑みを浮かべる。
自動的に出てくる動きのように。

「・・・じゃあ、オレンジとグレープを混ぜて持ってきて」
「え?2つを混ぜて、で、ございますか?」
「そう」
「・・・畏まりました。すぐにお持ちします」

一瞬だけ、左目を大きくした。
けれど、すぐにそれは元に戻った。

「アマリさんって、変な飲み物が好きなんだねえ」
「・・・ええ、まあ・・・」
「もしかして、しいなちゃんへの意地悪とか?」
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