と、リキが、不可思議な表情を作った。
「逆に、何も言わずに人に傅いている奴の方が気味が悪ぃ」
「そう、ですか?」
「何を考えているか分からねえだろ?」
「確かに、そうですね」
「うちにいるんだ。そう言う奴が一人。胸くそ悪い男がな」
「はあ・・・」
レジを通る。
店員は業務支援用アンドロイドで、手際よくカートの中の商品をスキャンしていく。
「あの娘も、同じだぞ」
「え?」
「黙って一緒にいるだけなら、あの娘は何も話さない。
お前さんの顔色ばかり見ているだろう。お前さんの望むとおりに動いて、
当たり障りのないことを話して、機嫌を損ねないようにと気を遣う」
「・・・」
「貴族に奉公に入った使用人なんて言うのは、ほとんどがそういう教育を受ける。
聞いただろう?自分は死ぬまで美濃孜郎の所有物だと。人という認識じゃない。
物、なんだ。こうしてカートに入っている商品と同じだ。貴族に奉公に入った使用人達が
重宝がられるのは、物であるが故に自己を主張することがなく、扱いやすいからだ。
何より優先するのが主人の願いを叶え、望み通りに言動することで、それが己の願いになる。
そして、主人と使用人の間に、情はない。欲しても得られないことは最初に叩き込まれる。
使用人は、主人に対して、ただ至情と感謝のみを持って仕えろと言われる。
人間ではない、ただの物である使用人に、それ以外の感情は不要だとな。
飽きられれば捨てられる。用済みになったら捨てられる。あの娘の言葉を引用するなら、
役に立たなくなれば捨てられる。それが一度でも貴族の所有物になった人間の常識だ。
あの娘は、それが徹底している。異常なくらいにな。かなり長い間仕えてきたんだろう。
聞いていて背筋が寒くなるくらいの偏愛ぶりだった。あれでは・・・もたないだろうな」
精算を済ませて、シイナ達がいるフードコートの方へ向かう。
商品の入った大きな紙袋は、予想に反して4袋にもなっていた。
「リキ!」
「おう。買ってきてやったぞ」
「うん。ありがと」
カホが満面の笑顔でリキを迎える。なんの躊躇いもなく、リキはカホの隣りに座った。
そして、カホが差し出した食べかけのクレープを、その手から食べている。
「逆に、何も言わずに人に傅いている奴の方が気味が悪ぃ」
「そう、ですか?」
「何を考えているか分からねえだろ?」
「確かに、そうですね」
「うちにいるんだ。そう言う奴が一人。胸くそ悪い男がな」
「はあ・・・」
レジを通る。
店員は業務支援用アンドロイドで、手際よくカートの中の商品をスキャンしていく。
「あの娘も、同じだぞ」
「え?」
「黙って一緒にいるだけなら、あの娘は何も話さない。
お前さんの顔色ばかり見ているだろう。お前さんの望むとおりに動いて、
当たり障りのないことを話して、機嫌を損ねないようにと気を遣う」
「・・・」
「貴族に奉公に入った使用人なんて言うのは、ほとんどがそういう教育を受ける。
聞いただろう?自分は死ぬまで美濃孜郎の所有物だと。人という認識じゃない。
物、なんだ。こうしてカートに入っている商品と同じだ。貴族に奉公に入った使用人達が
重宝がられるのは、物であるが故に自己を主張することがなく、扱いやすいからだ。
何より優先するのが主人の願いを叶え、望み通りに言動することで、それが己の願いになる。
そして、主人と使用人の間に、情はない。欲しても得られないことは最初に叩き込まれる。
使用人は、主人に対して、ただ至情と感謝のみを持って仕えろと言われる。
人間ではない、ただの物である使用人に、それ以外の感情は不要だとな。
飽きられれば捨てられる。用済みになったら捨てられる。あの娘の言葉を引用するなら、
役に立たなくなれば捨てられる。それが一度でも貴族の所有物になった人間の常識だ。
あの娘は、それが徹底している。異常なくらいにな。かなり長い間仕えてきたんだろう。
聞いていて背筋が寒くなるくらいの偏愛ぶりだった。あれでは・・・もたないだろうな」
精算を済ませて、シイナ達がいるフードコートの方へ向かう。
商品の入った大きな紙袋は、予想に反して4袋にもなっていた。
「リキ!」
「おう。買ってきてやったぞ」
「うん。ありがと」
カホが満面の笑顔でリキを迎える。なんの躊躇いもなく、リキはカホの隣りに座った。
そして、カホが差し出した食べかけのクレープを、その手から食べている。