妄想を文字にしてみました。

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見回り以外の仕事は、基本的にはないのだとハジが説明してくれた。
午後になってようやく、俺は司令部勤務の概要を知ることが出来た。
聞けば、至極単純なスケジュールだった。

基本的にここも週5日勤務で、日曜は休みだ。
月に1度、留守番隊として出勤するのも同じ。
違うのは、その時の振り替え休日を各大隊内で調整することだった。
もう1日の休日は好きな曜日にいつでも取れるらしいが、その時でも当然のように
全隊出動要請があった場合は、出てこなくてはならない。

連絡専用携帯は、15時に上がってくる予定だと言われた。
今朝渡すはずだったが、端末に不備があったとかで回収されたらしい。

月曜から金曜までは今朝のような見回りをする。
驚いたことに、それぞれの班が担当地域を持っているのではなく、
見回りの順番ごとに担当地域が決っていて、毎朝どの班が何番目に
出ていくのかは、隊長が決めていた。

俺とカホは04班で、01班がハジとクミ、02班がリキとサチ、
03班がトモとミヤ、だと言われた。
00班という時は課長のことで、課長は単独で動くことが出来るそうだ。
課長が見回りに出る事なんてあるのだろうか、と疑問にも思ったが
さっきの酒田商店の店主が「隼ちゃん」などと言っていたことから思えば
この人なら「ちょっとガムを買いに。」と言って出ることがありそうだな、と思った。

見回りでする事は特になく、たまに住人と会話をする程度でいいんだよ、と
言っていた。そこから情報を得るのかと思っていたが、そう言う意識で
話をするわけではないようだった。
ただ、本当に世間話をする仲になることが目的らしい。

「それに、会社は環境美化と整備の仕事だからね。そう言った住民の苦情を
社員の僕らが先んじて聞き出しておくのも大事なんだよ。」
と、どこまで本気で言っているのかは分らなかったが、そう言われた。

だから、見回りを終えてしまうと、詰所でする事など何もなかった。
出動要請がない限りは、奴らは軍営を出ることすら無いらしい。
それは、勤務時間中に外へ出る時は必ず相士と2人で、と言う決まりがあるからだそうで
確かにそれならば、見回り以外で相士と出歩くよりは、詰所にいて好きなことを
していた方がいい、となるのだろう。それで、昨日のゲームの理由が分かった。
軍営内で出来ることは限られる。ゲームや読書以外に出来ることと言えば
訓練場へ行っての鍛錬ぐらいしかない。

どうみても、こいつらにそんな前向き意識はなさそうだ。
カホにいたっては、下への道順すら覚えていない有様だ。
ならば、詰所でダラダラと、ああして過すしかないのだろう。

他の課との交流はないのかと聞いたら、ハジは何故か困ったようになって
「うちの家族は、カホを除いてみんな奥ゆかしいからねえ。」と、笑った。